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ネットゲームRedStoneのプレイ暦と実生活でのうどんそばラーメンの喰い歩き日記。画像は期待するべからず

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まあ、早いものでもう10月も終わりになります。

ちょっと物悲しい季節になりますが
皆様、風邪などにひかぬように、お願い致します。
そんなこんなで最終回です。
実際の所、第1回の時点で最終回の半ば頃まで
書いている状況なら、週2の掲載でよかったではとも
おもったり。

むしろこっちより性別転換ネタを愉しみにして
おられる方が多そうですけどね


だって、グレゴリオ麺道だもん

それでは、「ピニャータの夜」終回です。

 ぴちょん
 何処かで雨だれの音がする。ああ、また台所が雨漏りしているのかな。
「コンポジだと思うが、あの薬で効かなきゃ助かりゃしねぇ」
「コンポジ?」
「ああ、いくつかの毒を混ぜ込んである奴だ。嬢ちゃん、ハイになってたろ。麻薬も混ぜ込んだ奴だろうな。毒消しが効くかどうかは神頼みよ」
 う。ネスさんとヴラヴォさんが話している。二人とも食器はちゃんと水に付けてくれたのかな。あれ? 何で二人が家にいるの? そうじゃない。あれ?
 ぴちょん
 私の両目が見たのはほのかな光にてらされた。ハウルとグロウルの心配そうな顔だった。ゆっくりと微笑み返そうとした瞬間に、体のあちこちに信じられないくらい痛みが走った。体をよじるがよじれば新しい痛みが次々襲ってくる。
「目が覚めたようだな。これで一安心だ。じゃあ、痛み止めを飲ましてやれ」
「あ、ああ」
 ぷぅんと薬草の匂いが漂う。この薬の臭いは良く嗅いだことがある。苦くて嫌いな奴だ。
「飲める?」
 ネスさんの声が顔の近くでする。目を開けて、彼の顔を見る。彼の頬に切り傷が出来ていたすごく痛そうに見えた。ゆっくりと彼のぼこぼこのカップが私の唇に近づく、痛みのなかで苦くて嫌いな味が必要だとわかっていた。ゆっくりとカップを受け入れた。口の中を切っているのか少ししみる。苦いけど、甘い。この薬ってこんなに甘かったのって思うくらいに、甘い。気が付いたらコップの中の薬を飲み干していた。
「どうやら、峠は越したようだな。だが、あいつらまだここいらをうろついてやがる」
 ヴラヴォさんが低い声で言った。ゆっくりと苦くて甘い薬が効いてきたのか、体全体の痛みが和らいでいく。それと同時に今の状況が見えてきた。今いるのは私の家でもなく、スマグの宿屋でもない。岩の亀裂の様な狭い洞窟の中だった。狭い隙間から油断無くヴラヴォさんが外の様子をうかがっている。
「あ、あのレックさんは?」
「みんな死んだよ」
 そうぽつりとつぶやいたのはネスさんだった。ランタンの光揺らめいて、ネスさんの表情を一瞬照らしだす。私は思わず顔を伏せた。
「さてと、じゃあ俺はいくぞ」
 ヴラヴォは腰を上げると、靴ひもを固く結び直した。
「え?」
「あんまりとロマと一緒にいるとツキが落ちる。若造の時にロマの親子に関わって、仕官のクチをふいにして以来、ロマとは取り合わせがわりぃんだ」
 そういうと、すっとヴラヴォさんは私の横にやってきた。
「お前さん、母親似だ。一発でわかった」
 その言葉をきいた瞬間に、目に浮かんだのはクモの入れ墨の鮮明な映像。目がチカチカする。
 レモの笑顔と割れたピニャータ。
赤く燃える炎。
       手裏剣がささる。
  傷口から吹き出る赤いお菓子。
              血の臭い。
お 母さん。
    ピニャータが斬られる。
        焚火の炎 に焼かれる人影。
   ゆらりと揺れるピニャータ。
お母さんが斬られちゃう。
        お母さん、助けて。
   ざっくりと。
        血が。
 おかあさん。
      声 が聞こえる。
「ストックフィンスター」
 私はぽつりとつぶやいた。その名前がどうして急に出てきたのか、わからなかった。だけれども、その名前が、憎くて憎くて仕方が無い。顔を上げると、ヴラヴォさんが厳しい顔をしていた。
「その名前は忘れろ。酷なだけだ」
 そういうと、私のフードを下にずらして視界を塞いでしまった。あわてて外したが、すでに入り口で外を伺っていた。
「あんとき、俺とお前さんを逃がすために、おとりになったあの人に恩が返せるなら、俺のツキも落ちちゃいねぇのかもな」 
 そういうと、するりと、外へと消えてしまった。足音も立てずに暗闇の中に消え失せてしまった。それなのに、私は何も言えずにただ、割れたピニャータの亀裂のような入り口を見ているしか無かった。
「夜明けを待とう」
 ネスさんの言葉にただただ頷いた。

 二日後、私たちはスマグの警備隊に救助された。
 救助に来た兵士たちにヴラヴォさんのことをきいた。浅黒い肌の兵士が一言だけこういった。
「彼は死んだ」
 何かざっくりと大事なものが切り落とされたような気がした。でも、なぜだか涙は流れなかった。ひどく悲しいのに涙が流れないというのは、こんなにも辛いものだとは思わなかった。
 ハノブ行きの馬車に揺られながら、ぼんやりとこれからのことを考えていた。私は仇の名前を思い出してしまった。でも、私に仇が討てるのだろうか? ヴラヴォさんは忘れろといった。もう、心に刻まれてしまったその名前は忘れられそうにない。
「大丈夫か?」
 ネスさんが声をかけてくれた。私はゆっくりと頷いた。
「あ、ネスさん。私のこと守ってくれてありがとう」
「あ、うん、だけど。おっさんのおかげだからな」
「でも、毒消し飲ませてくれたんでしょ。本当にありがとう」
 私がそう言った瞬間に、彼の顔が見る見るうちに紅潮していくのが、見て取れた。
「ああ、あー。それは、えっと仕方なかったんだ。ま、えっと、覚えてる?」
「何が?」
「ん。あ、ああ。だったら、いいんだ。えー、いいんだ」
 なぜそんなに取り乱すのかさっぱりわからなかったが、その様子を見て、ハウルとグロウルは楽しそうに喉を鳴らしていた。


=了=



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(´;m;)ごめんヴラヴォさん;

てっきりあなたが下手人だと思ってました・・・もっと込み入った事情があって、別にミルちゃん親子を手にかけた本人なわけじゃなかったのですね><。
「殺す」宣言は撤回します・・・死んじゃったけど・・・(´ノД;)ゴシゴシ

明るく楽しい冒険話もいいけれど、こんな「死と隣合わせ」の生活や思いが描かれている物語も、いいですね。
よりリアルで、土や草木の匂い、ファミリアの毛皮のひなたっぽい匂い、そして血の匂いまでふっと感じるようなお話でした。

思い出してしまった仇の名前は、もう忘れることができない・・・ミルちゃんはこれから、やはり復讐の道を歩むのでしょうか。
いつか続編が出るかも?とひそかに楽しみにしております^^

ラストのやりとりで「あ~、口移しで飲ませたんだ!ネスさん役得じゃーん(*^ー^)」と気づきましたb

次回はレモちゃんの出番かな~(*´Д`*)

アル・シェリ URL 2008/10/26(Sunday)19:37:26 Edit
Re:(´;m;)ごめんヴラヴォさん;

>てっきりあなたが下手人だと思ってました・・・

下手人てw
アルさん結構時代劇好きと見たw

>よりリアルで、土や草木の匂い、ファミリアの毛皮のひなたっぽい匂い、そして血の匂いまでふっと感じるようなお話でした。

ありがとうございます。

>ラストのやりとりで「あ~、口移しで飲ませたんだ!ネスさん役得じゃーん(*^ー^)」と気づきましたb

役得の割にはからぶりするおいしい役回りです

>次回はレモちゃんの出番かな~(*´Д`*)

今度は、明るめにパロディ満載で行こうかな

【2008/10/2803:18】
つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚

結末がとても気になっていました・・・・でもでも、なんだかせつないような甘酸っぱいような気持ちになってしまったのはなんででしょう・・・うぅ(´Д⊂ヽ

私もアルさん同様、ヴラヴォさんはいやな人だと思っていました(;´Д`)
うん、いい人ってわけじゃないのかもしれないけど、なんか不器用っていうか、どっかあったかい気がするんですよ。するんだなぁ・・・。

ミルちゃんにこれから平和が訪れることを願うのですが、やはり私も続編を願ってしまいます。。。

すごく素敵な小説で、感動しました(TдT)
また最初から通して読み直してこようっと!

穏やかな午後。 URL 2008/10/28(Tuesday)13:25:20 Edit
Re:つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚

>結末がとても気になっていました・・・・でもでも、なんだかせつないような甘酸っぱいような気持ちになってしまったのはなんででしょう・・・うぅ(´Д⊂ヽ

甘酸っぱいのは最後のシーンのせいかとw

>ミルちゃんにこれから平和が訪れることを願うのですが、やはり私も続編を願ってしまいます。。。

では書きます。まずはレモからですけどね

>すごく素敵な小説で、感動しました(TдT)
>また最初から通して読み直してこようっと!

ありがとうございます。

【2008/10/2815:07】
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