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ネットゲームRedStoneのプレイ暦と実生活でのうどんそばラーメンの喰い歩き日記。画像は期待するべからず

本当に11年前に書いて途切れた物の続きを書くことになるとは思いませんでした。
あんな記事を書かれたからには少しは進めないとなぁと。

 レッドストーンから離れて時間が経ちすぎていますもので、スキルなどの描写が間違っているかもしれませんが、それは御容赦願います。





RS小説「帰り道の途中:シーフギルドをぶっつぶせ」3/3

 ただただ恐怖だった。後ろから迫りくるそれは、数々の罠などを無かったように突進してくる。
 アレンシアは最初の罠を男が踏んだときは勝利を確信した。だが、爆炎の中から何事も無かったかのように突き進んで来るのを見たとき、足が止まりかけた。
「待て、ゴォラ! ケツぅうう!」
 その怒号で本能的に足が逃げてくれた。自分の意識は完全に恐怖と驚愕で停止していたのだから。
 袖の無い僧服を着ているが、アレは本当に僧侶なのか分からない。なにせいきなり胸を揉まれて、尻を撫でられた。捕まったら何をされるか、想像できてしまうあたりがなおさら怖い。
(お嫁に行けない体)
 そんなフレーズが頭によぎった。この冒険者稼業に入り、このシーフギルドに入ったときに結婚なんて諦めたはずだったのに、今はそれが一番怖い。
「だけれどもっ」
 前方に飛び跳ねて、そのまま宙返りをうつ、懐からありったけの手裏剣を取り出し次々と後ろから迫りくる人影に投げつける。幾本かは外れたが、何本も男の体に命中した。だが、ほとんどが刺さらなかった。研ぎ上げた刃のはずが金属音を立てて地面に転がる。一本だけ男がかざした左手のひらに刺さったもの以外は地面に落ちてしまった。
「化け物め、だからって退けるかぁっ」
 男の足元で地雷が爆ぜる。彼女が仕掛けていた最後の罠だったが、男は爆炎の中から平気で出てきた。
「良いガッツだ。だが、終わりにしようや」
 左手を軽く振ると最後の手裏剣が軽い音を立てて落ちた。その掌の傷はもう塞がっていた。自死を選ぼうにもこの男に傷なんか直ぐ治されてしまうだろう。じわりと胃の奥から絶望感が湧き上がってくる。
 アレンシアは膝から崩れ落ちた。ボロボロと涙がこぼれ落ちる。
「さてと」
 ハインはヒョイっとアレンシアを持上げた。そして、右肩にちょんと座らせた。
「戻るか」

「あっ!! 何やってんだ!」
 ハインの突然の怒声で、肩の上に縮こまっていたアレンシアは驚いて顔を上げた。
 ハインが指差す先には巨大なウルフマンが座っており、そのお腹の毛に顔をうずめるように抱きついているビオレッタがいた。
『何って。負けて泣いているこの子を慰めてるのさ』
 そう言いながらバドが立ち上がると涙で目を腫らしたビオレッタの顔が見えた。何かされたのかとも思ったが、着衣に乱れは無いどころか体に傷がついた様子もない。何だか甘えている様子さえある。
 ぐっと狼の影が濃くなって身体が縮み、バドは魔術師の姿になる。ビオレッタの顔があからさまに残念がっていた。
「さてさて、あちらの方も終わったようだよ」
 そう言って彼が向いた先、赤レンガの倉庫の陰から出てきたレモの姿があった。背にはのびたクレアを背負っている。さらにその後ろから小柄な何かがひょこひょことついてきていた。
「増えてねぇか?」
「増えてるね」
 レモは二人を見ると小走りに駆けてきた。後ろにいる小さい影もひょこひょこと付いてくる。頭の上に青い光がゆらゆらと揺れているのが見える。
「ネクロだよな」
「ネクロだね」
 ハインはまだ肩の上で縮こまっていたアレンシアをようやく降ろした。
「嬢ちゃん、勝てたようだな。で、その後ろのネクロは…」
「何故だ! 何故なんだ」
 ハインが早速レモに問いかけ始めたときにビオレッタの怒声が上がった。ハインはめんどくさそうに霊術師の彼女に目をやった。
「貴方がたのような強者が何故にあんな女に与するのだ! 一時は我らに近付いておきながら、人買いの連中に与するような女に……」
 悔しそうに拳で地面を叩き、泣き咽びだした。
「なんでかって、つまらんことを聞いてキャンキャン泣きやがって、惚れた女の頼みを聞いて何が悪い!」
 ハインのさらに大きな怒声が響く。その後に微妙に静かな時間が流れた。
「カコけけけ、こカけカコカコこここココ」
 その少しの静寂を終わらせたのは、小さなしかし奇妙な笑い声だった。その笑い声はレモの後に隠れるようにいたネクロマンサーからだった。
「嬢ちゃん、そのネクロはなんだ」
 ハインがそうに聞いた。その声は先ほどの怒声とは違い、小さく何か恐る恐るという感じさえした。
「えふしーちゃんだよ。強いの」
 そう言ってレモは屈託なく脇に避けて、そのネクロマンサーを紹介するようにハインに示した。
「ホはこあこかかかけ。ほほアハけかこほほホ」
 笑い声は次第に大きくなり始めた。ゆらゆらと揺らめく青白い炎が少しばかり大きくなったような気がする。
「えふしーっていうと」
 バドの声も少し震えていた。
「分かった。分かっちまった」
 ハインが目を覆いながらうめき声に近い声で嘆く。その後の二人はぴったりと一人の女の名前を口にした。
「フレミア・クリムソ」
 その名が呼ばれたと同時にネクロマンサーの暗い影から紅い炎が燃え上がった。そして、次の瞬間には一人の悪魔が立っていた。
「惚れた女って言ったーっ!」
 あの女の砦の主で美しくも恐ろしげだった彼女が無邪気に跳ねてハインに飛びついた。ハインは苦虫を噛み潰したような顔で、左腕を彼女の背中に回し、右腕を両膝の裏に回して、優しく抱き上げた。
「で、いいのか。この嬢ちゃん達には恨まれてるようだし、この辺り囲まれてるぜ」
「あら、怖いわぁ。護ってくれる?」
「なぁにを言ってやがる。全部自分で絵ぇ描いたくせに。ま、護りは坊主の仕事だ。対多人数は悪魔の仕事だろ」
 倉庫街の影や通りの向こうから、あからさまに人相の悪い男たちがそれこそグロスで数える人数で現れた。そして、顔に火傷のある一番人相の悪い男が何かをがなり始めた。
 ハインは抱きかかえたフレミアに顔近づけて聞いた。
「なんか言ってるぞ」
「どうせ、つまんないことしか言ってないわよ。聴く?」
「さっさと片付けようぜ。ブサイクな火傷面見ていたくねぇ。ダミ声も聴きたくねぇ」
 そう言うとフレミアを抱きかかえたままで、前に歩き始めた。
「えっと、あたしは何したらいいですか?」
 レモがバドのコートの端をつかんで聞いてきた。
「え、君たちの仕事は見学。僕の仕事は君たちの引率」
「え、見学って? 2人だけで? あんなにいるのに? あー……、あああー。はい、見学してます。大丈夫そうですね。うわー……」
 フレミアとハインは数をものとせずに相手を倒していく。倒しているのは抱えられたフレミアだという事は分かる。地獄の虫やら真っ黒な蜘蛛の巣やら毒の霧やらと物騒極まりないものがぽんぽんと出てくる。逃げるのものがいたら炎の鞭でクモの巣の中に引きずり込まれる。たまに近付けた敵はハインが一撃で蹴り飛ばす。
 バドはそんな二人を笑いながら見ている。地獄の一部がそのまま出てきたような光景を懐かしそうに。
 レモはその顔見ているうちに何か悔しさに似たじれったいような感情が湧いてきた。
 そっと彼の手を握ると、ぎゅっと握り返してきた。だが、顔を見上げるとこちらを一瞥もせずにまだ二人を見ていた。レミが見ることができない光景を見続ける彼から目を離して少し俯いた。
「……ちぇ」
 誰にも聞こえないような小さい声でそれだけ声にした。

 




 後書き

まー、今は執筆アプリとか便利なものが出てるんですね。
だからってアレコレ書こうとか無いですけど。

そうそう、昔のメモ帳発掘してその中の構想だけした小説がありましてファンタジーウィメンズレスリング、略してFWWというやつで。
ようはファンタジー世界でキン肉マンの女子プロ的な話で、レスラーの構想とか大まかなストーリーが書いていてこれはこれでおバカで面白そうではあったなー。こんなもの考えていたんだ。
いや、書かないですよ。
でも、この時期はWWEにハマっていたのが丸わかりでちょっと懐かしかったですね。
この帰り道の続きを書こうと思わなかったら、このメモ帳捨ててたよなぁとか。

続き?
これでとっぺんぱらりのぷうで良くないですか??

PS
あるさんとこで犯行予告書いてからえらいこと時間がかかった仕舞いました。こんなにかかるとはおもいもせず。いや、申し訳ない

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