グレゴリオ麺道　〜Red Stoneと麺類〜

　昔のお話を書き起こすことになりまして、以前の語り口とかは多少変
わるところがあると思いますがそれはご愛敬ということにして。なにせ
ね、以前語ったうちのおばさんの名前ですけどね、もちろん仮名だった
んですがね。その仮名がなんだったかが思い出せない。齢とかじゃない
です。そういうのはその場でつける癖があるので、申し訳ない。

　さて、さっそくお話のほうでございますね。えーと、よく考えたら
ちょっと今に語るのはちょっと不謹慎かもしれませんがまあ昔語ったお
話ということでお目こぼしいただくことにして。

　皆さん、人には守護霊というものを信じておりますでしょうか。
　人につきその人を見守るありがたい御霊でございます。私の叔母によ
るとこの御霊、人によって様々でございまして、ご先祖様だったり縁の
深い人だったり動物だったり神様だったりもするそうです。
　たまにいない方もいる。こういう人はご自身が強かったりするので問
題ない場合が多いそうでございます。面白いものですね。
　

「守護霊」


　高校生の女の子が主人公です。名前はエミとしておきましょうか。部
活に勉強に恋にと青春を謳歌する普通の女の子です。
　エミのクラスのクラスメイトのある男子の家が火事になりまして、こ
の男子が亡くなったという事件が起きました。火事自体にはいわゆるト
ラッキング火災というやつで、皆さんもお気を付けくださいね。ほこり
がコンセントにたまったりしていつの間にか起こる火災ですので。

　ですが、エミはいやだなぁという気になりました。今の彼氏ができる
少し前にこの男子から一度告白されていたそうなんです。その時には今
の彼が好きになっていたので断ったと。
　それでも、自分に関わり合いのある人が死ぬというのは嫌なもの
です。
　ですが、エミにはそれ以上の感情はありませんでした。まあ、普通の
感情だと思います。自分に告白してきただけでそれ以外はクラスメイト
以外の接点はなかったのですから。

　ですがその男子が死んでから初七日がすぎた夜。その日に限って寝苦
しくてふと目が覚めると、非常に息苦しい。
　そして、かすかに焦げるにおいがする。
（火事？）
　そう思うのも無理はない。それでクラスメイトが死んだばかりなので
すから。
　声を上げようとしたが、声が少しも出ない。
　焦げるにおいはだんだんときつくなってくる。
　起き上がろうとしたが体がピクリとも動かない。
　としたときに部屋の扉がすぅっと開きました。
　ああ、パパが来てくれたこれで助かったっと思いましたが、入ってき
たのはいまだに煙を上げてくすぶる焼け焦げた人影でした。
　すごい臭気を放ちながら声も出せない動けもしないエミに近づいてく
るのです。
　そして、顔をぐっとのぞき込んでくる。
（なんで？　○○くん？）

　はっとすると窓の外は明るくもうすでに夜は明けていました。部屋の
どこも焦げた様子はないのですが、部屋の中は焦げたようなにおいがす
るようなしないような。急いで両親を呼びましたが二人とも焦げた臭い
はしないと。
　嫌な夢を見たものだと思って日常に戻っていったのです。
　ですが、その日を境に彼氏となにかしっくりこない。顔を合わせるた
びに喧嘩になる。今までそんなことはなかったのに妙に気が合わなくな
る。そうなると高校生の恋愛はすぐにしまいになる。エミにとってそれ
がショックで仕方なかった。それで部活も勉強もガタガタになって
きた。
　同級生の一人の母親が拝み屋をやっているとういうので見てもらうこ
とにした。

　頼みごとを言うと人のよさそうな拝み屋さんはにっこりと笑って言っ
た。
「心配はいりませんよ。あなたの守護霊は最近変わったばかりですがと
ても力が強くまたあなたを大事にしておられます。今は苦しいかもしれ
ませんがすぐに上向いてくるでしょう」
　それを聞いてエミはほっとして笑い、そして聞いたのです。
「私の守護霊ってどんなかたですか？」
　拝み屋さんはにっこりと笑いながら言いました。
「全身が焼け焦げた方です」

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後日談

　そのあとエミさんは半狂乱になって守護霊をはずしてくれと頼んだそ
うです。拝み屋さんはいい御霊なのでやめた方がいいと言いましたがエ
ミさんは聞き分けなくはずしてもらいました。
　その結果、彼氏とよりを戻したのですが、その彼氏はじつはあんまり
質がよくなく。エミさんをよく殴りお金を貢がせる。典型的なクズだっ
たそうでそれにつられてエミさんはまあ、このさきはなんとなくわかり
ますよね。
　今では彼女がどこで何しているかみんな知りません。

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後日談その２

　うちの従妹が叔母さんに聞いたそうなんですよ。
「その黒こげの守護霊君どうしたのよ」
「何言うとるん。いま、あんたの守護霊しとるがね」
「え？」
「あんなに力があって優しい御霊ほかに知らんがね。あんたの守護霊弱
くて心配しとったんよ」
「えー？」

従妹は「というわけで私の守護霊さん黒こげのクラスメート」ってケタ
ケタ笑ってました。

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というお話でございました。
また、ほかのお話が聞きたいのであればまた書き起こすやも?

おおう・・・:((((((((;゜ヮ゜)))))))):

そ、そうですこのオチ:(((((( T□T))))))):
書き起こしをまことにありがとうございました・・・胸のつかえが取れ、新たな恐怖が生まれました。

それにしても叔母様も従妹さんも本当に肝の据わった女性です・・・というよりは、やはり慣れっこなのでしょうね。

貴重なこのおはなし、ぜひこちらの記事にもリンクさせてください＞＜。

※確かあの時の叔母様の仮名は絵梨佳(字は違うかも)さんだったように思います。

追伸：14日
言われてみればエリコさんだった気も・・・！

アル・シェリ 2019/08/13(Tuesday)01:51:23 Edit

Re:おおう・・・:((((((((;゜ヮ゜)))))))):

エリカさんだったかいのう？
恵理子さんだったのかな？
恵理さんだったのか…？

うーん

【2019/08/1400:37】

無題

アル・シェリさんからお聞きして飛んでまいりました、先日お邪魔いたしました某光奏師です。

私が気になっていたお話が・・・！
当時は別鯖にキャラを作っていなかったので見られず、先日のおはなしで断片的に聞いてひっそりとハンカチを噛み締めたお話が・・・！
嬉しすぎてしばらく言葉が出てきませんでした。
本当にありがとうございます！

スターリング 2019/08/14(Wednesday)02:04:23 Edit

Re:無題

ご満足いただけたようで何よりです。
こちらとしても久しぶりに短いながらの物書きができて楽しかったですよ。

【2019/08/1500:38】

次女：紫鯖にて生活
微低下ネクロ/ワームバイト悪魔
冷静な目であわただしい兄と姉に対するツッコミ担当。
好きなもの:紅茶、ロールケーキ、噂話。
嫌いなもの：散らかった部屋、拾われてないアイテム