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ネットゲームRedStoneのプレイ暦と実生活でのうどんそばラーメンの喰い歩き日記。画像は期待するべからず

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えーっと終わりが見えてきました
5回で終了予定ですが、どたばたたびはその後も続きます

でも、題名が定まりません。

うーん。もう「ブルン東29番街の奇跡」でいいのかも知れません



いや、ダメだ。宇宙人が出てくる訳でもなし



うーん

いいアイディアないかなぁ



     


ひらめいた!

今考えるのやめよう!




だめやん



RS小説「帰り道の途中:幸せの小道(仮)」3/5

 古都からそんなに離れていない林の奥に小さな墓地がある。その静かな墓地に彼らの馬車が止まっていた。人影は三つ、バドはベンチに腰を降ろしている。チェス盤を挟んでベンチに腰掛けているのは墓守りのメコティンスである。ハインといえば、林の方に何やら目を凝らしている。
「チェック」
 ハインが静かにそういった。
「むう、そう来たか。むむむむむ」
 墓守は頭が見事にはげ上がった初老の人である。衣服とかは粗末なものであるが、生活に窮している様子もない。この老人は昔は傭兵として名を馳せた人物であるが、引退後はここでこうして墓守をしている。
「なあ、メコティンスさんよぉ。さっきも言った通り、鍵あけが得意なやつを紹介しちゃくれないか」
 ハインはこきこきと首をならしながら、墓守にそういった。
「ふむ、だがのう。なかなかおらんのじゃ。それに、おまさんがた何かよからぬことを企んどるじゃろ」
「俺たちはいつでも神の御心のままさ」
 ふんと、ハインの軽口を鼻先で笑い飛ばしながら、墓守は続けた。
「タッスルホッフはここ何年も会っとらんし、パラサは死んじまった。モリアーティは牢屋の中じゃし。あとはヒープか……あいつは盗賊に身を落としおった」
「チェック」
 バドは黒い駒を前に動かして、白い駒を蹴倒しながら静かに言った。
「待った。それは待ったじゃ!」
 メコティンスはそういうと、そそくさと駒を戻した。そして、白い駒を動かした。墓守の指が離れると合間をおかずに、バドは黒いビショップの駒を前に走らせた。
「チェック」
「おお、もう手がないじゃないか! わしの負けじゃ」
 墓守は悲鳴に似た声をあげた。その声に釣られたかのように、林の薮がガサガサと動く。駆け回る足音が薮とともに動く。
「鬼ーっ! 悪魔ーっ! ヒトデナシー!」
 レモの涙まじりの声が林の中に響きわたる。薮の中を駆け回る物音に続いて、何かに槍を突き刺した鈍い音、そして、気持ち悪い何かが潰れた音がした。
「鬼とか悪魔とか、人聞きが悪いこと言うなー!」
 笑いながらハインは薮に声を投げる。そして、足元を這っている気味の悪いスパイクワームを捕まえた。大きな手で掴まれたスパイクワームは鋭い牙の並んだ円形の口を大きく開けて、反撃しようとするが、首根っこを掴まれているために反撃のしようがない。
「次、行くぞー」
 ハインは半ベソの声が聞こえる薮に向かって、スパイクワームを投げた。芋虫は見事に槍が飛ぶように、錐揉み状に回転しながら、薮に向かって、まっすぐ飛んでいく。
「みーッ!」
 レモらしい変な悲鳴が上がる。
「ハッハー、どうよ。トム・ブレイディも真っ青だ!」
 薮から槍とともに飛び出してきたレモが、自分に向かって飛んでくるスパイクワームを槍ではたき落とした。
「はい、パス失敗」
 バドはそれを見て、そう言った。
「んー、なら2匹いっぺんにいって見よう」
 ハインは二匹のスパイクワームを手に一匹ずつ掴みあげた。
「みぎゃー!」
 まるで猫のような悲鳴を上げて、薮の中に逃げていく彼女に向かって、ハインは容赦なく投げた。レモは後から飛び迫るスパイクワームを見ると、横っ飛びによけた。スパイクワームは木に叩きつけられて怒り狂って、レモに襲い掛かった。もう大分馴れたのか、彼女は落ち着いて、スパイクワームを仕留める。だが、今度はハインがもう一匹を続けざまに、投げていた。
「ちと高いな」
 メコティンスの言うとおり少し高かった。スパイクワームはレモの頭上を越えて、薮の奥へ飛んでいった。そして、男の悲鳴が聞こえた。
「わーっ! ごめんな……あー!」
 薮の中から、レモの声が聞こえたかと思うと静かになった。バドも駒を並べ直す手を止めて、そちらに目をむけた。
 薮からレモと彼女の首筋にナイフを突き付けた男が出てきた。男は頭からぐっちゃりとスパイクワームの体液を浴びていた。おかげで人相は分からないものの怒っていることは、確かである。
「捕まりましたー」
 レモの声はなんだか緊張感に欠けていた。
「貴様ら、ここで会うとはな」
 男が肩を震わせながら、声を出した。
「どちらさん?」
 ハインはそう言って眉間にしわをよせて考えた。
「ハイン、あれだ。この前のあいつじゃないか?」
 バドがそう言うと男は虫の体液を片手で拭って、低い笑い声をだした。
「ようやく、このオレがあのヒー……」
「マディだ。テッド・マディ!」
「ハイン、マディじゃない。バロバンだ」
「ちっがうー!」
「じゃ、ヒッコリーだ」
「あいつ死んだよ」
「なにぃ! ポーカーの貸しがまだある残ってんのに!」
「オレはヒープだ! いい加減にしろ! お前らこのガキがどうなってもいいのか?」
 ヒープはすごんで、レモの首筋に押し付けたナイフをひらりときらめかせた。ハインとバドはお互いを見た後で、軽くため息をついた。
「レモ、死んでもすぐに生き返るからな」
「長い人生だそういうこともあるさ」
「でもな、小僧。オレの連れを殺してみろ。九回甦らせて十回殺してやる」
 そういうなり、二人は立ち上がってゆっくりとヒープに向かって歩き出した。メコティンスは愉快そうにはげ頭をかきながら事の次第を見つめていた。
「人質なんて意味がないって言ったじゃないですかぁ」
 レモが声をあげた。ヒープはおろおろと、二人を見、レモを見た。
「くっそろおお!」
 ヒープが首筋にあてていたナイフをハインに向けた刹那に、彼の腕の中から少女が消えた。驚いた彼が下を見ると、しゃがみながらも、こちらをはっきりととらえる彼女の姿が映った。
 にっと笑ったのを見た次の瞬間に、槍の一閃で体がはじかれた。ヒープが体制を立て直す間に、レモはもう手の届かない所まで走って行ってしまった。そうこうしている間にもバドとハインが近づいてくる。ヒープの手からナイフが下に落ちた。
「降参します」
 ハインが口をあんぐり開けて天を仰いだ。
「んだよ。まだ一発も殴ってないだろうが」
「変身すらしていない」
「だって、思い出しましたよ。RG商会の旦那がた」
 ちっと舌打ちをする音が林に響いた。
「俺たちって解って喧嘩吹っかけてると思ったのに」
 ハインの残念そうにつぶやく声を流しながら、バドはヒープに近づいた。あくまでも笑顔を絶やさずに。
「ヒープ君、じゃあ、ついでに仕事を手伝ってくれ」
「や、ヤバいや……」
「ありがとう。快諾してくれて。ま、後でじっくり計画を話すよ」
「ちょっ……」
 抗議しようと言うところに、バドの杖の先がとんと彼の胸の上に当たる。
「いやかい?」
「よ、よよよ、よろこんで!」
「ありがとう」
 メコティンスは肩を揺すらせて笑っている。そして、笑顔のままでレモを手招きした。レモは老人のところに走って行った。短い話が終わると、ぺこりと頭を下げて、ハインの方へ走ってきた。息が荒いままで食って掛かるようにこういった。
「ハインさん、絶対、悪いこと考えてますね」
 レモはハインにそう言った。
「いいや、悪いことは何もしないぞ」
「本当ですか?」
「レモ。大丈夫だよ」
 バドがそう言って、彼女の肩に手を置いた。
「心配ない」
 少女は魔術士の顔を不安げに見上げた。穏やかに微笑む彼に何も言えなくなった。
「それよりも、君はやらなきゃいけないことがある」
「なんですか?」
「リュウインズの旦那の誤解を解いてきやがれ」
 ハインが迷惑そうな口調でそう言った。



……続く
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みーっ

見慣れた古都西の地下墓地が舞台で、情景を
しっかり思い浮かべながら読ませて頂きました。
私も虫が苦手なのでスパイクワームの表現のところでは
レモちゃんと大いに共感しましたけれど((((゚ε゚||))))
シフのヒープさん、恐ろしげに登場したかったのに
頭ぐっちょりだわ名前は間違えられるわ悔しかっただろうなぁ…w

次は鍵開けヒープさんを連れて墓地秘密でしょうか。
すごく楽しみです♪

追記:ディミダさんのコメントで気がついたのですが、地下墓地でなく
古都→のお墓が舞台だったのですね><
勘違いしてしまってすみませんでした。

ゴンドウキンゴ URL 2009/02/01(Sunday)09:51:14 Edit
Re:みーっ

>見慣れた古都西の地下墓地が舞台で、情景を
>しっかり思い浮かべながら読ませて頂きました。

∑ 古都東のサバイバルクエを受けるあそこのつもりでしたが、
 確かに西のほうが墓場では有名ですね
 むう。描写が足らなかったかぁっ!

>私も虫が苦手なのでスパイクワームの表現のところでは
>レモちゃんと大いに共感しましたけれど((((゚ε゚||))))

レモちゃんは虫が大嫌いなんです
さらにうにょうにょと気持ち悪いし・・・

>追記:ディミダさんのコメントで気がついたのですが、地下墓地でなく
>古都→のお墓が舞台だったのですね><
>勘違いしてしまってすみませんでした。

いえいえ、こちらこそ描写不足で・・・

【2009/02/0515:05】
わぁははは

なんだか虐めがいのありそうなシフさんが登場

古都東の サバイバルクエのとこですな 

鍵開けないといけないマップってどこにあったかなーと思案しております 
まぁ 
もうあきらめて 
日曜を まちますけどね・・・ 

ディミダ(ティア) URL 2009/02/03(Tuesday)11:17:39 Edit
Re:わぁははは

えーっと

ここから後は創作ダンジョンになりますので
鍵開け有無はあまり考えておりませんw
ヒープ君、確かにこの中ではいじめられキャラですねw

【2009/02/0515:07】
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